『ナチュラル・ダイエット』


腸相という言葉をご存知ですか?

『病気にならない生き方』新谷弘実著・サンマーク出版に詳しい。

腸内環境ですね、要するに。
主人は以前、ある診断で、腸がよくないと言われたことがあり、それからずっと、腸内環境をよくするための努力を重ねてきたが、毎日の疲れが取れないし、体調もかんばしくないと悩んでいた。
整体に行ったところ、そこがとてもいい先生で、以後そこに通って、体のズレ、バランスが崩れていることや、食生活についてなど、いろいろ教えてもらっている。

この間、その先生から教えてもらって買ってきた本が、『ナチュラル・ダイエット あなたの常識をくつがえす3つの習慣』(ハーヴィー・ダイアモンド著、弓場隆訳、ディスカバー・トゥエンティワン)である。
全米で1200万部突破した、と帯に書いてあるように、アメリカでも、そして日本でも、えらく売れた本らしい。(今も売れているようだ)

ダイエット、と題についているが、書いてあることは、薬に頼らない健康な食生活の方法である。これは仰天するような内容の本だった。乳製品は健康によくないとか、野菜や果物がいいとか、新谷先生の本と同じようなことが書いてあるので、うなづける内容であるが、それよりもさらに、今まで常識とされ、教え込まされてきた「食事の基本」が、まったく意味のないものであるということがわかって、本当に「仰天」してしまったのだ。仰天したけど、理論を読んでみると、ちゃんと実験し、結果が出ている研究をもとに、きちんと書かれてあるので納得せざるをえない。

朝食はしっかり摂る必要はないとか、カロリー計算は意味がないとか、肉よりバナナのほうが良質のたんぱく質であるとか…。それ聞いただけでもええ!って思うのに、読んでいくうちに、30品目食べろとか、いろんな食材をバランスよくとか、そんなことはまったく意味がない、ということがわかってきた。

とにかく、今までの食事はなんだったのか???と、呆然とすると同時に、なぜ、このような正しい情報がきちんと伝えられてこなかったのか、ということに怒りさえ感じられる。
それぞれの食品を「売る」側からすれば、ありがためいわくな情報ではあるかもしれないが、「売る」側はもっと、その食品を「食べる」側の健康をもっと考えるべきだと思った。消費者のことを考えた食品を買うことの重要性をまたまたあらためて思い知ったのである。

この本は、ベジタリアンになれとか、好きなものを我慢しろとか、そういうことは一切言っていない。要するに、体や食事にはサイクルや原理があって、私たちはそれを知って、食べ方なり、購入方法を臨機応変に変えていけばいいのである。
間違った考えで、間違った食事の方法をとっていただけなのだ。正しいと信じて食べていたものが原因で病気になってしまうなんて、やりきれない。だからこそ、しっかりとした知識を持つ必要があるのだろう。

私は、ずいぶんと健康や食べ物にこだわっていると思われるかもしれないが、私は病気をせずに、楽しく笑って、自分のできることをくいを残さずやっていきたいと思っているだけである。
それには健康な体でいなくてはならないから、そして、体を維持するために食事をしなくてはならないので、必死であれこれ調べているわけである。

若いときは、若さでどうにか乗り越えられたことも、今はやはりできない。子どももいる。子どもの成長には責任がある。健康が、何よりの興味のある分野になってしまった。

本当は、食事のことを考えたり、作ったりすることはあんまり好きではない。どうして人間は食べなくちゃ生きていけないんだろう、と、ずっと思ってきた。食べずにいられるなら、ずっと本を読んだり、案を考えたり、原稿を書いたりしていたいのに、と。私の場合、食の喜びよりも、創作の喜びのほうがうわまわっている。

もちろん、食べずにいられるわけはないし、おいしいものを食べる喜びを捨てようとは思わないが、世界には、何も食べず、水も飲まずに何十年と生きている人がいるんだと聞くと、ちょっとうらやましいと思ってしまう私です(^_^;)

『「ナルニア国」への扉 C・S・ルイス』

『「ナルニア国」への扉 C・S・ルイス』(文渓堂)

名作を生んだ作家シリーズとして、J・M・バリの伝記の次に訳させていただきました。C・S・ルイスの伝記です。

映画『ライオンと魔女』が話題になっていますが、C・S・ルイスはその原作者である。
子ども向けにわかりやすく書かれてあります。

バリの人生を描いた映画『ネバーランド』のように、ルイスの人生を描いた映画ももちろんある。
『永遠の愛に生きて』(1993年作品。日本ヘラルド映画)がそれである。原題は『シャドウランズSHADOWLANDS』。

インターネットでこの映画の感想をいろいろ読んでいると、邦題がひどい、という声が結構多い。私も同感だ。なぜなら、この‘シャドウランズ(影の国)’には意味があって、映画の中でも重要な場面で出てくるし、ナルニア国シリーズにも出てくるし、なにより、ルイスの人生観にもかかわる重要な言葉なのである。

‘影の国’とは哲学者プラトンの〈洞窟〉のたとえからきている。プラトンによると、人間は生まれながら洞窟の中にいて、後ろを見ることができない囚人のようなもので、壁に映った影だけを見て育つ。だから囚人にとってこの影の世界だけが本物である。だが、本物の世界は〈影の国〉ではなく、別にある。

私たちが生きるこの世界は影にすぎず、人間が永遠に生きる本物の国は、死んだあとにゆく、神がおられる天国だと、ルイスは考えた。この世は影の国、影の国を去る〈死〉は、本物の国にいくことを意味し、悲しみではなく喜びだととらえたのだ。これは、愛する人を亡くすという経験をしたルイスの体験(この映画でも描かれている)と、キリスト教の信仰心とがあいまった、実にすばらしい到達点だと思う。

この映画はもともとテレビドラマ用に書かれた脚本がもとになっており、舞台化もされた。日本でも1991年に劇団四季が「シャドウランズ」という題で上演された。このときも「シャドウランズ」とそのままの題でいったのだから、映画も「シャドウランズ」にしてほしかったですよね、わかりにくいなら「影の国」って言葉を使えばなんとかなったのでは…。

ともかく、映画は1952年、ルイスが54歳になる年から始まっている。ルイスはオックスフォード大学の教師として活躍するかたわら、ナルニア国シリーズの作家としても名をはせていた。
独身だった彼は、この年、一人のアメリカ人女性と出会う。ルイスのファンだという37歳の、同じく作家であるジョイ・デビッドマン。美人で知的、ものおじしない大胆な性格のジョイは、ルイスに強烈な印象を与えた。
ジョイは結婚して二人の子どもがいたが、夫の飲酒、浮気に悩んでいた。ジョイがイギリスにきたのも、ルイスに相談にのってもらいたいというのが理由のひとつとしてあった。

いろいろあってジョイは夫と離婚、イギリスで新たな生活を始めるため海を渡ってくる。だが、滞在ビザの延長ができず、イギリスを離れなければならなくなり、そこでルイスと結婚をするのである。これは市民権をえてイギリスにすむことができるようにするための書類上の形式的な結婚であり、愛し合っていたからではない。事実、二人は別々に暮らしていた。

だが翌年、ジョイがガンで余命いくばくもないことが判明。ルイスはジョイをどれほど愛しているかを知るのだ。ジョイも同じ思いだった。二人は、本物の結婚(キリスト教徒としての結婚)式をあげ、一緒に暮らすことになる。58歳にして、ルイスは初めて本当の愛を知り、ジョイの死までの約3年間をともにするのである。

以上が、本当のルイスのいきさつ。
映画は、おおまか事実に沿っているが、大きな違いは2つ。ジョイには息子が二人いたが、映画では次男のダグラスしか登場しないし、ジョイは病院で息を引き取ったが、映画ではもちろん自宅で亡くなっている。

でも、そんなことはでもどうでもよくて、とにかくすばらしい映画である。とてもうまく構成されていて、俳優さんたちも見事だ。
オックスフォード、イギリスの風景が美しい。私はずっと泣きっぱなしであった。翻訳のときは、いつも客観的な目でいるが、映画になるととたんにその世界に入ってしまって、一人の観客になっている。堅物だったルイスがジョイに正直になっていくところ、せっかく愛をつかんだルイスがジョイの死に直面し、理性を失うところなど、文字だけで見ていたルイスが人間性を帯びて私に迫ってくる。

正直、ルイス役のアンソニー・ホプキンスは、私のルイスのイメージではないのだが、でも見事に演じきっている。さすがだ。

まだ観たことのない方はぜひとも観てみてください。実話ですから、よりいっそう感動がましますよ。
ナルニアシリーズ一作目『ライオンと魔女』に出てくる、あの衣装箪笥も出てきて、上手にストーリーと調和しています! このへんのところも、脚本の見事さですね。

ルイスとジョイについては、すぐ書房の『永遠の愛に生きて』(ブライアン・シブリー著、中尾セツ子訳)を読むと詳しくわかります。これはもともと『影の国よ、さようなら』というタイトルだったのが、映画公開後、このタイトルに変更され、表紙も映画のスチール写真になってました。

ついにアトリーの伝記が出版!

ついに、待ち望んでいたアリソン・アトリーの伝記が出版になった!!\(^o^)/

『物語の紡ぎ手 アリソン・アトリーの生涯』(JULA出版)

著者は、デニス・ジャッド、訳は中野節子さん。

中野さんは大妻女子大学の教授で、アトリーの研究家だ。アトリーを個人的に研究している私、中野先生のアトリー論文はすべて目を通している。中野先生ほど訳者としてぴったりな方はいないだろう。

原書は『ALISON UTTLEY-Creator of Little Grey Rabbit 』(Denis Judd, Sutton Publishing)で、もちろん私は持っているし、読んだ。が、なにしろ分厚くて、字がびっちりと並んでいて、研究書なので内容も難しく(私には難しかったのよぉ)、全部をちゃんと理解できたとはいえなかった。なので、この訳書が出たことは、本当にありがたく、うれしいことだ。訳注もついているし、アトリーゆかりの地(私も数年前に訪れてきました♪)の写真も載っているし、もう、アトリーのことならこの一冊あればOK!っていうくらい、完璧な本です。!(^^)!

日本ではあまり名前が知られていないアトリーを、もっともっと多くの人に知ってもらいたいと思う!!!

名前は知られてないかもしれないが、作品はみなさん、一度は読んだことがあるはず。なにを書いた人かって?
それは、あのピーター・ラビットと並ぶうさぎ絵本『リトル・グレイ・ラビット』シリーズです!! キャラクター商品も出ているはずだから、ピーター・ラビットに似たうさぎの絵をご存知の方は多いはず。
(でもピーター・ラビットと同じではないし、まねたものでもありませんし、比べられるのを作者はすごく嫌がっていました)

そのほかには、『チム・ラビットのぼうけん』ほかチム・ラビットシリーズ、こぶたの『サム・ピッグ』シリーズ、『こぎつねルーファスのぼうけん』、『子ネズミきょうだい町へいく』『むぎばたけ』、『くつなおしの店』、『妖精のスカーフ』『氷の花たば』などなど、それはそれは多作でした。日本で訳されていない作品も、いっぱいあります。

しかーし!! なんといってもお勧めしたいのが、岩波少年文庫の『時の旅人』と『農場にくらして』です!!
特に、『時の旅人』は、ハリー・ポッターはじめとするファンタジー文学に含まれ、歴史的事実をもとに完成度の高いタイムトラベル小説です。
これを抜きにファンタジー文学を語らないで、と声を大にして言いたいくらい、すばらしい小説なんですよぉ~。なんでもっと人気が出ないのか、不思議です(きっとみなその存在を知らないだけで、読んだらファンになっちゃうはずなんだけどなー)。

アトリーは1884年生まれで、なんと1976年まで生きました。そうです、つい最近まで、彼女は生きて、作品を生み出していたのです。同じ時代を生きていたわけです、ああ、感動♪
(モンゴメリより10年あとに生まれて、モンゴメリより34年長く生きました、といえば、アンファンにはわかりやすいかな?)

今年2006年は、アトリー没後30年にあたるということで、その記念出版で伝記が出たようです。そういえば、中央出版の現代英米児童文学評伝叢書シリーズにも、『アリソン・アトリー』があって、いつ出るのかと楽しみに待っているのに出ない。問い合わせてみたら、「今年中には…」という答え。

アトリー関連本がどんどん出て、アトリーだけでなく、アトリーの作品も、もっともっとスポットをあびていってほしいと切に願う。私もアトリー普及のため(?)できるだけのことをしたいです!!