『バッテリー』

あさのあつこさんの『バッテリー』1~6巻(教育画劇)を、やっと読破した。

この本が話題になっていることは知っていたが、実はお恥ずかしい話だが、あさのあつこさんという作家を知らなかったので、女優の浅野温子さんが小説を書いているのかと思ってしまった(^_^;)

それから、『バッテリー』という言葉を耳できいてしまうと、電池のバッテリーかと思ってしまうけど、野球のバッテリーですよ、あ、言わなくてもわかりますよね、わからなかったのは私だけでした、はは、いやいや、まったく、すみません。

友人の家にあったこの本をたまたまめくって、それ以来、はまってしまった。

私は野球のことはさっぱりわからないし、興味もないけれど、この本は実におもしろい。野球がわからなくても、はまってしまいます。私で証明されます。

話し言葉が多いけれど、人物や状況描写はしっかりとされているし、テンポもよく、そのテンポとともに、読む人をぐいぐいと引き付けていく。それで? それで? どうなっていくの? と、ページをめくるのがもどかしく、次の巻を図書館に予約してから届くまでがいやに長く感じられた(人気の本なので、予約者が何人もいて、自分の番まで待たなくてはいけなかったのだ)。

速球を投げる天才少年・巧と、その球をしっかりと受け止めるキャッチャー・豪。この二人がバッテリーを組むわけだが、自分の才能を信じて疑わない自信家の巧は、投げることしか考えておらず、チームの和など、くそくらえ、という生意気な少年だ。その性格は、先生や野球部の先輩に対しても変わらず、亀裂や問題を引き起こす。

読んでいる私のほうも、こんちくしょう、と思うくらい、巧は生意気である。生意気というか…自分の気持ちにまっすぐなだけなのだが…周りの人の感情を思いやれない不器用なところもある。それを補っているのが、キャッチャーの豪である。温厚で、周りの人々に気を使う、頼りがいのある少年である。

まさに、運命ともいえる出会いでバッテリーを組んだ二人だが…。

巧も、豪も、少しずつ、少しずつ、変わっていく…いや、巧だけじゃなく、周りの人間たちも、悩み、怒り、傷つき、立ち上がってまた野球に向かっていく。

少年たちのやりとりや、べたべたしない友情や、周りの人々の愛情などが、しみじみと伝わってきて、その真剣な姿に心打たれたり、考えさせられたりした。どの子もみんな、すてきだった。男の子の世界…なんだけど、それだけに終始していない。そういうところも、うまい。

勝敗がわからないようなラストシーンにはちょっと不満が残るが、こういう終わり方がたしかに妥当だろう。勝敗なんて、この子たちには関係ないのかもしれない。

それにしても――巧のような、生意気で自信家の少年の話、最近多いような気がする。『テニスの王子様』のリョーマしかり、『メジャー』の吾朗しかり(どっちもアニメでしか見たことないんだけどね)。

それでもって、どの子も女の子には興味なしで、スポーツ一筋…。こういうタイプ、実は私も好きなんだけどね(^_^;)

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