DVD二本借りてきた

レンタルビデオ屋さんが半額セールをやっていたので、2本借りてきた。私には珍しく、日本映画。

本当に見たかったのは『1999年の夏休み』という映画だったのだが、古い映画だからか、周りのビデオ屋にもなく、もちろん、そのお店にもなく、あきらめて別のを借りたのだった。

借りたのは、北野武監督『菊次郎の夏』(1999年公開)と、『わたしのグランパ』(2003年公開)である。

本もそうだが、映画でも恋愛もの、特に濡れ場があるのは好きではないので、そういうのではない作品を探す。

『わたしのグランパ』は、石原さとみちゃんがかわいいから、という理由と、私の大好きな菅原文太さんが出ているから借りた。それと、原作が筒井康隆さんだったから(原作は読んでいないが、原作がしっかりしているとだいたい映画もはずれがないと思って)。

グランパ役が菅原文太さん。お年をめしても、かっこいい~(#^.^#) そこにいるだけで存在感がある。文太さんはトラック野郎のころから好きだった。

グランパは、“れいぎょ(漢字が出てこない~(――;))の人”。この“れいぎょ”っていう言葉が、映画のキーワードなんだよね。れいぎょとは、牢獄のこと。つまり、グランパはムショ帰りなんです。

ネタばらして申し訳ないですが、グランパが死ぬだろうってことはもう最初からわかるんだけど、ああいう形であっさりと、とは思わなかった。そんなところも、単なるヤクザもので終わってない、深い視点があるんでしょう。

表向きは幸せそうな家族が、実はぎくしゃくしている。両親は口には出さないけれどすれちがっている様子。一人娘は、学校でいじめを経験しているが、親には言わない…。唯一甘えられるグランマは、グランパが刑務所から出てくるとわかると、逃げるように出て行ってしまう…。

人はみな、それぞれ深い闇を抱えていることを、ちらちらとにおわしながら、孫娘(石原さとみちゃんね)とグランパのつかのまの交流を描いていて、とても感慨深かった。

石原さとみちゃんが、部屋の窓から屋根にはいだして、屋根瓦に座って物思いにふける場面には、はっとした。私の実家も昔、ああいう造りの家だった。で、映画と同じように、私の部屋の窓から屋根瓦に簡単におりることができて、私はよくそこで寝そべって空を眺めていたのである。自分を見ているようで、とても懐かしかった。

映画の途中で、え、なんでこうなるの、という、ちょっと現実離れした部分が出てくるが、そこがちょっと浮いていた。原作ではきっとこういうことはないのだろうが。

でも、全体的に、とてもいい映画だった。あんなグランパがいたらよかったなあ。私は父方のほうも、母方のほうも、祖父母の思い出がまったくない。祖父母ってどんな感じなのだろう。躾の義務のない肉親が、どれほど孫を愛してくれるのか、私はまったく知らない。すごく…寂しい気がする。

『菊次郎の夏』は、小学生の男の子の旅に、ビートたけし演じる男が同行する、というのが気に入って借りた。たけしは、「誰でも知っている「母を訪ねて三千里」みたいなスタンダードな物語を、暴力なしの演出で描ききってみたい」と言っていたそうだが、本当に暴力シーンなしの、とても静かで、でも冒険的で、切なく、やさしい映画だった。

主人公の男の子はほとんど笑わない、無口で暗い男の子だ。というのも、祖母との二人暮し。母親はいるのだが、遠く離れたところにいて、会ったことがないのだ。夏休みになり、友達が家族旅行に出かけてしまうと、一人ぼっちになった男の子は、母親に会いに行こうと思い立つ。

荷物をまとめて出かけるが、すぐに、若いあんちゃんにお金をまきあげられる。それを助けてくれたのが岸本加代子演じるおばさんだ。一人旅は危険だということで、おばさんは自分の夫(ふうらいぼう)をお供につかせる。

遊び屋の夫は、もらったお金を競輪に使ってしまう。さて、母親が住んでいる豊橋(愛知県)まで、二人はどうやってたどり着くのだろう?

旅の途中で出会う変な人、おもしろい人、やさしい人…。夏の田舎や海の風景。
独特の「間」。少ないセリフ。ちょっと幻想的な映像。ダークな部分あり、お笑いあり。

私はビートたけしの映画を観たのはこれが初めてだが、極限まで「こそげおとす」のが特徴らしい。だが、その、語られない(言葉にしない)映像の中に、いいたいことを詰めているというのはひしひしと伝わってくる。役者さんの表情や、映像の中から訴えてくるものがある。

そして、男の子が主人公と思わせながら、実はビートたけし演じる男が主人公だということも…。そう、「菊次郎」というのは、男の子の名前ではなく、お供した男の名前だったのだ。

でも、男の子が、お供のおじさんの名前を知るのは旅が終わった最後である。旅先で出会う人たちの名前も、男の子は聞かないし、知らない。「太ったおじさん」「はげのおじさん」という具合に呼ぶだけだ。旅なんですね、これは。

母をたずねて三千里みたいな映画、といったが、この映画はいわゆるハッピーエンドには終わらない。やはり、悲しみがともなっている。しかし、その中で感じる人々のやさしさが、日本の夏とだぶって、まぶしく輝く。

小説では出にくい魅力、「映画」だからこその味わいがある作品だと感じた。ぜひ見てみてください。

それにしても…映画に出てくる「天使の鈴」が、とってもかわいい~。単なる小物ではなく、大事な要素として登場します。
ビートたけしは”天使マニア”で、映画に天使をよく使うそうです。アトリエを兼ねた自室には天使グッズを飾り立てたコーナーがあるとか。見て見たいな~。

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