赤毛のアンのトークイベント@カナダ大使館

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18日(水)、日帰りで東京へ行ってきました。カナダ大使館 E・H・ノーマン図書館にて、赤毛のアンに関するトークイベントが行われ、光栄にもご招待をいただきました。ありがとうございます<(_ _)>

今年、柏書房から『ストーリー・オブ・マイ・キャリア 赤毛のアンが生まれるまで』が出版されました。これを記念して、プリンス・エドワード島大学のケイト・スカース(Kate Scarth)教授と、翻訳者・水谷利美先生をお迎えしてのトークイベントでした。

『赤毛のアン』の作者モンゴメリが、その出版から9年後の1917年、自身のキャリアについて書いたエッセイをトロントの雑誌に連載しました。その自伝的エッセイは、1974年に「The Alpine Path」というタイトルで出版されました。アルプスへの道、つまり頂上を目指す険しい道という意味です。
日本語訳は、篠崎書林から1979年に『険しい道―モンゴメリ自叙伝―』(山口昌子訳)として出版されましたが、現在絶版です。


図書館に展示してあったモンゴメリ関連書。私はこれら、全部持っています(;^ω^)

私はこれまで、赤毛のアンやモンゴメリの関連書を執筆するにあたり、篠崎書林の『険しい道』は何十回も読んでいます。モンゴメリを知るには必読書ですが、新訳が出たことには少なからずびっくりしたのです。
『赤毛のアン』を書いた”作者”に興味を持つということは、赤毛のアンを好きという段階から、さらにうえの好奇心が必要で、何人の日本人がモンゴメリに興味を持っているのか、捉えかねていたからです。
でも、絶版としてこのまま消えてしまうにはあまりにも惜しい、と、翻訳者の水谷先生は思われたのでしょう。

訳者あとがきにも書かれているように、篠崎書店版では”モンゴメリ自伝”とタイトルに加えられていますが、これは自伝ではなく、あくまでモンゴメリが自分が成功するまでのいきさつを綴ったものであること。

成功したいともがき苦しんでいる、自分のあとに続くクリエイティブを目指す人たち(趣味ではなくそれを生活の糧にするという意味での)をはげますために書いたということ。

現在ほど女性の社会進出が難しかった当時、モンゴメリが努力と忍耐でそれを乗り越えたこと。

こうしたことが、現在の私たちにも勇気と元気を与えてくれるはずだと、水谷先生は思われ、新訳を出されたのです。
自伝と解釈するには中途半端ではあるけれども、モンゴメリの人となりがよくわかるという意味ではおもしろく、ぜひみなさんに読んでいただきたいとお話されました。

また、プリンス・エドワード島大学にはモンゴメリ研究所があり、「ジャーナル・オブ・L・M・モンゴメリ・スタディーズ」というインターネットサイト(誰でも見れます。英語のサイトですがご興味のある方はぜひ読んでみてください→https://journaloflmmontgomerystudies.ca/)の運営もしているのですが、その中心的人物としてもご活躍されているケイト・スカース教授にお目にかかり、お話を聞かせていただけたことはとても光栄でした。

教授は、子どもの頃のモンゴメリに影響を与えた3人の人についてお話され、今やモンゴメリその人が別の人(私たちを含めて)へ影響を与え、赤毛のアンの人気は衰えていないことにも触れています。カナダ文学の中での大事な位置を占めるだけでなく、世界的にも影響を与えている作品と作家であることのすばらしさ。

そして、新訳が出たこの本については、現在、全巻出版されているモンゴメリ自身の日記を手に取るとっかかりとなっていることにも触れ、あえてこの本で触れていない部分、実際のモンゴメリとの違いなどを見つける探偵のような楽しみがあります、とお話されました。

このトークイベントの大きなテーマである女性の社会進出、女性がやるとされている様々な雑用や役割をこなしながら、第一線で働く女性についてもお話がありました。
水谷先生が、昨日の新聞に掲載されていたニュースとして、世界経済フォーラム(WEF)が発表した、各国の男女格差の大きさを調査した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」2019年版をお話くださり、会場全体が騒然となりました。
日本は調査対象となった世界153カ国のうち、121位(2018年は110位)、G7のなかで最低。

ジェンダー・ギャップ指数では、各国の男女の格差を経済・教育・健康・政治の4分野14項目で分析。各分野における男女格差に着目して、評価しているとのこと。

男女格差解消に貢献する上位の国々は1位から、アイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンと北欧諸国が並び、カナダは16位。

一概に順位だけで安易に判断はできませんが、G7の中で最低という日本の状況はやっぱり問題があると思いました。私は家庭の主婦も、子育ても、それだけで立派な”仕事”だと思っているので(自分はできていないからこそよけい)、全員がバリバリ働くべきとは思っていません。ただ、一生懸命働きたい、がんばって上を目指す女性が、不当な障害で報われないことはあってはならないと思っています。

私一人が何ができるわけではないけれど、私はモンゴメリの生き方を知って、励まされましたし、できる限りの努力をしてきました。
きっと、私と同じように、モンゴメリに励まされた方は多いと思います。モンゴメリを知らない方には、この新訳を読んで知ってほしいし、モンゴメリのように、努力と忍耐で自分の道を切り開いていってほしいと思うのです。
もしそれが失敗になっても、諦めない限り、成功はいつまでも手に届くところにあると思うし、私は失敗から学ぶこともたくさんあったので、陽転思考、前向きに生きていくことが大事だと思うのです。

(つづく)

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