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〈オリジナル書き下ろし〉

『赤毛のアンの庭で ~プリンス・エドワード島の15ケ月~』
1995年出版(東京書籍)

 私の初めての本です。モンゴメリは「赤毛のアン」が手元に届いたとき、「率直に告白しよう――それはわたしにとって、誇らしい、すばらしい、ぞくぞくするような一瞬であったと。物心ついてから今日までのすべての夢、希望、野心そして闘いが、いまという形に具現化され現実化されて、わたしの手の中にあるのだ――これがわたしの生まれて初めての本なのだ。偉大な本ではないかもしれない。でもこれはわたしのもの、、――わたしが創り出したものなのだ。」と日記に書いています。私も同じような気持ちでした。同じ気持ち・・・だなんて、恐れ多いですが・・・その気持ちがわかった、と言い換えるべきでしょうか。何度も何度も本をなでたり、ページをめくって眺めたものです。写真をたくさん使っていただいて、きれいな本に仕上がりました。
 当時の私は、出版社へのつてはほとんどありませんでした。島へ行ったのも自費ですし、本を書けるかどうか、そして書いた原稿を出版してくれるところがあるのか、不安ばかりでした。それでも、帰国して原稿を書き始め、撮りためた写真を整理し、「この出版社なら受け入れてくださるかも」という希望を持って、電話をしたのです。東京書籍の編集者さんは快く原稿を見てくださり、気に入っていただいて、出版の運びとなりました。どれほどうれしかったか、わかりません。書いた原稿はそのままは使えないので、何度も書き直しをしました。生みの苦しみというのはこういうことかと、落ち込みながらもがんばったことを、今でも思い出します。
 読んでくださった方からたくさんのお手紙をいただきました(初めてのファンレターです!)。私の本を読んで島へ行く決意をされた方もいて、私の本が少しでもお役に立ったと思うと、心から喜びを感じました。


『紀行「赤毛のアン」~プリンス・エドワード島の人々~』
1996年出版(晶文社)
 島での生活を終えて日本に帰国後、すぐに書き始めたのが、実はこの本の2章、島の人々のことでした。島を初めて旅行で訪ねたのは1991年、その時にいちばん感動したのが島の人々のやさしさ、素朴さでした。島の暮らしについてもっと知りたい、人々のことを書きたい! 私が島に住む決意をしたのは、人々とのふれあいがあったからです。島やアンについて書かれた本は日本でもわずかでしたが出版されていたものの、人々の日常生活を赤裸々に綴っている本はなく、私はそのことを知りたかったし、自分で書いて、たくさんの方に知らせたいと思ったのです。
アンの物語を読んだことのない方がこの本を読んでくださって「僕はアンの話はしらないけど、おもしろかった。大声で笑いました。今度アンの本を読んでみようかな」と言ってくださいました。島の人々のことが、少しでも伝われば、と思って、愛情を込めて書きました。
1章のほうは、モンゴメリを知る、存命の方々に直接インタビューさせていただいたことをまとめたものです。島内をあちこちめぐるうちに、運命の糸にひきよせられるように出会わせていただいた、モンゴメリの親戚の方、生前のモンゴメリを覚えている人々。生でうかがうお話は、まるで私までそこにいるような、モンゴメリを知っているかのような気にさせてくれ、貴重で大切な時間をいただきました。


『「赤毛のアン」からのプレゼント ~安らぎの故郷、プリンス・エドワード島~』
2000年出版(白石書店)
 単行本も、雑誌への寄稿も、いつも私は自分から「採用してください」と営業して受け入れていただいていた私に、なんと、初めて「書きませんか」というご依頼をいただいたものです。うれしくて、うれしくて! そして「奥田さんの好きなように作られて結構ですよ」とのお言葉。これは夢ではあるまいか、としばらく疑っていた私です。
おまけに、本はオールカラーというではありませんか。そ、そんな・・・すごすぎる。でも、うれしい。というのも、私には、まだまだストックしてある写真が何千点とあったので、それを何かの形でまとめたいと思っていたからです。アンという物語の世界と、現在のPEIの世界をドッキングさせて、独特の雰囲気を作りたい・・・人々の笑顔をたくさん入れよう・・・写真集のような雰囲気もほしいな・・・と、欲張ってしまいましたが、オールカラーというメリットもあいまって、私の本とは信じがたい(?)、美しい本になっていました。残念ながら出版社がなくなってしまい、現在は中古でしか手に入らなくなってしまいました(泣)。


『赤毛のアン A TO Z ~モンゴメリが描いたアンの暮らしと自然~』
2001年出版(東洋書林)
 『メアリー・ポピンズ AからZ』(篠崎書林刊)という本をご存知でしょうか。Aのページでは、Aのつく単語ばかりを使って、ひとつのお話をつくっているのです。私はこの本が大好きで、これのアン版があったらな! と思っていました。たぶん本にはならないだろうから、ホームページで公開しようと、気軽な気持ちで自分で書き始めたのですが、東洋書林の方にお見せしたところ「おもしろいです、これをもっとふくらませて一冊の本にしましょう」とおっしゃっていただきました。そうしてできあがったのが、事典のような、絵本のような、この本です。なんといっても、イラストが美しい。松成真理子さんの淡い水彩画が、本の雰囲気をやわらかくしてくれました。


『タータンチェックの文化史』
2007年出版(白水社)
 アンの島プリンス・エドワード島で、公式”プリンス・エドワード島タータン”に出会ってから、タータンチェックに興味を持ち、調べ始めました。日本語の本がなかったので、英語の本を何冊も取り寄せ、辞書を片手に必死で読みました。もともとチェックが大好きだったので、どんどんのめりこんでいき、ただのチェック柄ではない独特のタータンのおもしろさ、多彩さ、奥深さにふれ、スコットランドも訪れてしまいました。タータには定義があり、歴史があり、登録所まであるんです。それを多くの方に知っていただこうと原稿を書き、出版社に売り込みましたが、出版を受け入れてくださるところが見つかるまでなんと7年もかかりました(諦めずに売り込みを続けてよかった…(;O;))。タータンにまつわるさまざまな話題に触れています。


『「赤毛のアン」の島で L・M・モンゴメリ』
2008年出版(文渓堂)
「名作を生んだ作家の伝記シリーズ」の第六冊目に入れていただいた、赤毛のアンの物語を生んだモンゴメリの伝記です。子ども向けにわかりやすく、それでもたくさんの情報を入れてまとめあげました。私なりの視点で書いてほしいということで、試行錯誤して仕上がった力作です^_^; 日本で訳されていない資料からの情報も入れました。大人の方でも、おもしろく読み進めていっていただけます!

『永遠の「赤毛のアン」ブック』
2008年出版(集英社)
 白水社さんからのタータンの本が出るまで7年かかりましたが、なんとこちらは12年間かかりました。物語に出てくる植物をはじめ、料理、手芸、登場人物、文学からの引用、アンや登場人物の名台詞といった、興味深いテーマを分けて、キーワード事典としてまとめました。アンシリーズの中から、「赤毛のアン」「アンの青春」「アンの愛情」[アンの幸福]「アンの夢の家」「炉辺荘のアン」の6冊を網羅しています。アナログからデジタルへ移行しつつある時に原稿を書き始めたので、気の遠くなるような時間と手間がかかりましたが、そういう苦労も吹っ飛んでしまうほどおもしろい作業ではありました。調べる楽しさも知りました。みなさんにも、アンの物語の深さ、楽しさをこの事典から味わっていただけたらと願っています。


『スコットランド タータンチェック紀行』
2010年出版(産業編集センター)
まさか2冊目のタータンの本が出していただけるとは思ってもいなかったので、お話をいただいた時は本当にありがたかったです。「私のとっておき」シリーズに入れていただきました! スコットランドはウイスキーやゴルフだけが楽しみではありません。タータンチェックも魅力のひとつなのです。泊まるところ、レストラン、お土産店など、すべてにおいてタータンにこだわったスコットランド旅行をするための、タータンづくしの旅行ガイドブックです。こういうガイドブックは今までになかったと思います。オールカラー!!!写真満載の、見ても、飾っても、読んでも楽しい一冊です。


『図説 赤毛のアン』
2013年出版(河出書房新社)
 全国各地のカルチャーセンター等で、ご依頼を受けてアンの講座をさせていただいています。一回ではとても話せないほど、アンの世界は深いため、ご要望の回数に合わせて、話すテーマを細かく分けていました。それを本にしませんか、というお話をいただき、実現した決定版ガイドです。定評のある図説シリーズに加えていただいたことは、自分で自分をほめてあげたい気持ちです!! アンの時代背景、その後のアン、料理、手仕事、植物、物語を飛び出したアンなど、テーマごとに、多くの写真やイラストを交えています。あまりに図版の数が多いので、途中で挫折しそうになったほどです(^_^;)

『図説 タータンチェックの歴史』
2013年出版(河出書房新社)
 まさか、まさかの!! おかげさまの、タータンの本の3冊目です。図説という名の通り、写真やイラストが満載。これまでの本ではページ数の関係で書けなかったことも思い切り書かせていただきました。決定保存版になりました。これでタータンの本は3冊出させていただいたわけですが、どれも違う情報を書いているので、ぜひ3冊セットでお手元にどうぞ♪

『紅茶をめぐる静岡さんぽ』
2015年出版(マイルスタッフ)
 結婚して静岡県浜松市に住んでいます。静岡県は有名なお茶処。私は、同じお茶の葉から、製造方法が違うだけで緑茶、紅茶、烏龍茶、黒茶ができることを知らなかったので、静岡産紅茶があることを知って衝撃を受けました。紅茶の木があって、それはインドやスリランカでしか育たないと思っていたのですから…(爆)私は苦いコーヒーが飲めなかったので必然的に紅茶を飲んでいましたが、国産紅茶があるとわかってからは、地産地消、農家さん応援で国産紅茶を買うようになりました。もっと国産紅茶が普及して欲しいと思い、本にまとめることにしました。国産紅茶以前に、紅茶自体に興味を持ってもらうことから始めたいと、この本では地域を”静岡県”に限定し、国産紅茶も含めた”紅茶”をテーマにしました。静岡県内の東部から西部まで、紅茶をティーポットで出してくれるレストランやカフェを紹介するグルメ本(全59軒紹介!!)という形をとりながらも、コラムとして、紅茶の歴史、製造工程、種類、産地、おいしい淹れ方といった雑学ももりだくさん入っています。もちろん、国産紅茶の話題もいっぱいです。

『いいなあ』
2016年9月号(鈴木出版)
 ずっと、自分の絵本を出すことが夢でした。念願叶って、月刊絵本の中に取り上げていただくことになりました。小さな子どもが読むものほど、実は文章はとてもとても、書くのが難しいです。現在、バックナンバーは鈴木出版さんでは売り切れです。私の手元に数冊のみ、ございますので、ご希望の方は「お問い合わせ」からお申し込みください。

『図説 英国ファンタジーの世界』
2016年出版(河出書房新社)
赤毛のアン」をはじめとする世界名作シリーズを小さい頃から愛読し、一番のお気に入りは「赤毛のアン」だったのですが、他にも好きな物語はたくさんありました。大人になっても、大人向けの小説があまり好きではなく、ずっと、今も、いわゆる児童文学というものが一番好きです。中でも、イギリスの児童文学が特にこのみだということに気づきました。初めてイギリスを訪れてから、今まで何度もイギリスへ行っていますが、必ず、イギリスの児童文学ゆかりの場所、作家ゆかりの場所を訪ね歩きました。今回、英国ファンタジーというテーマで、20年かけてコツコツと追いかけてきたイギリス児童文学をご紹介できることになり、感無量です。ページの都合で、大きくは11人の作家を取り上げました。「ハリー・ポッター」のJ・K・ローリング、「ピーター・パン」のJ・M・バリ、「ピーターラビット」のビアトリクス・ポター、「不思議の国のアリス」のルイス・キャロル、「ナルニア国」シリーズのC・S・ルイス、「秘密の花園」のフランシス・バーネット、「くまのプーさん」のA・A・ミルン、「砂の妖精」のイーディス・ネズビット、「時の旅人」のアリソン・アトリー、「グリーンノウ」のルーシー・ボストン、「たのしい川べ」のケネス・グレアム。これら作者と作品ゆかりの場所を訪ね、名作誕生の秘密を探るトラベル紀行です。

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